あほあほヒストリー(STAND BY MEー川編・単独行)

2007年11月22日

昔、台風というのは、何が起きるのだろうというわくわくする感じと、実際は面白くないという狭間にあるものだ。

小学1年位か大きな台風が来た。
朝から電車が止まり、学校は休みになるし、親はいるけど遊んでくれず、大人同士が話をなにやらしてるし、かといって子供は外に出るなと言われるしで、中途半端な気持ちになったことを思い出す。

でも僕はもんもんとして窓に斜めに降りつける雨粒を通して、暗く分厚い雲を眺めていた。
決行の時を待ちながら。

計画はこうだ。

木ぎれを集める。筏を作る。その上に乗って川を漕ぎ出す。向こう岸に渡る。川を渡って自分のヒーローになる。へへへ。

そのとき誰かが見ていったら、きっと気持ち悪かっただろう。

そして一夜明け、台風は過ぎ、さわやかな空が広がった。
川を見に行く。

いつもは河川敷のゴルフ場が、跡形もなく見えない。
土手には蕩々と流れる茶色い水。
にやり。これなら、渡ったら凄いぞ。

近所の木工所から薄い板を拝借、ごめんなさい。
道に落ちていた紐で結び(ゆるゆるでいい加減)、水が退き始めた川の土手に引っ張って行った。

何人かの大人が、台風の処理で、あちこち走り回っているが誰も気が付かない。

よっしゃ、ずるずる。よいしょ、ずるずる。意外と水には恐怖はない。
土手から、筏をおろしはじめようとしたとき、たまたま親父が通りかかった。
「おいおい、なにするんや」
「川渡る」
「あほか、死ぬぞ」
僕は持ち上げられ、そのまま家へ強制連行された。
くそーっ。またやったろう。

後で、泳げないことに気が付いた僕は、親父に風呂場でこっぴどく怒られた。潜りの練習を始めたからだ。

いつか川を渡るという夢は、シーカヤックで海を渡るということに変わった。夢は、いつか叶うのだ。

で筏事件はまだ続く。



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この記事へのコメント
死に対する恐怖より、挑戦するドキドキ感の方が上なんですね。
冒険家気質なんですね~。
Posted by わらくらわらくら at 2007年11月22日 21:51
わらくらさん

欲望に打ち勝つ心がない、心弱き人間なのです。
無謀なだけです。
あきらめが悪いだけかも知れません。

ただ、水に恐怖心がなかったのが、怖いですね。
Posted by jintarojintaro at 2007年11月23日 00:01
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